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Channel: ■本物の波乱万丈人生はここにあります!おもろい人生です
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波乱万丈伝記・・・(仮)残したい影~序章~ノンフィクション

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今まで自分は過去を振り返ったりはしませんでした。
人生に起こりうる困難にその時々の状況で対応していました。
しかし、私の人生は浮き沈みが激しく、まるでジェットコースターのような人生。
良い方向に進んで行っても、転げ落ちる。
自分には過去の反省が無いのかと思い、ある時に戻って何があったのかを書いてみました。


物語は10年程前の幸せだったシーンから始まります。

では。。。

*このお話はノンフィクションです
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序章
 
春の木漏れ日の中、渡良瀬川の水面はキラキラしていてとても美しい。
その水面の横には草の生い茂った土手があり、タンポポが咲き乱れている。
この土手の光景は下流の渡良瀬遊水地まで延々と続いている。
 
渡良瀬遊水地は201273日にラムサール条約に登録された湿地帯である。
ラムサール条約とは湿地帯の水鳥などの生態系を守るために1971年に制定された国際条約である。
この遊水地には三個の調節池がある。広さは約三十三平方キロメートルと巨大だ。
最も広い調節池は第一調節池で、ここには遊水地で唯一の谷中湖と呼ばれる大きな池がある。
休日の谷中湖では、子供のいる家族連れが水遊びをしたり、若者たちがウインドサーフィンやジェットスキーなどに興じている。
また、早朝には沢山の熱気球がここから飛び立つ。
大空へ飛び立つ色鮮やかな熱気球と遊水地の自然との調和は、観ている人々の気持ちを高揚させてくれる。
 
遊水地から程近い自然が織り成すキャンバスの中で、二十歳年下の彼女と腰を並べ風景を楽しんでいた。
この時、彼女は十八歳で私は三十八歳。
私には妻も子供もいた。
禁断の恋というものなのだろうか?
それとも不倫とも言うべきなのだろうか?
でも、ふたりにとってこの恋は紛れもなく純愛だった。
お互いが「相手のために犠牲になってもよい」という自己犠牲の精神を持っていた。
この状態が自然であって、しかも当然のことだと思っていた。
 
 
「ぴーちゃん、タンポポってさ、ワタボウシになると風まかせでいろんなところへ飛んでいって、また花をさかせんるんだよね」「まるで私みたい」
そんなことを無邪気に語りかけてきた。
私は少し困った顔をして「そうなのかな」とだけ言った。
彼女は根無し草のように、生活の拠点を転々としながら生きてきたタンポポのような女性だった。
まるで行き場所のない不幸な人生を歩んでしまっていた。
 
彼女の不幸は幼少期から始まっている。
三歳で父親を亡くし、母親は一年後に再婚。僅か四歳の彼女を残して家を出た。
そして彼女は両親のいない子供となり、父方の祖父母にそだてられることとなった。
同じ敷地には叔父(父の弟)が家族四人で住んでいて、彼女の教育を少なからずとも任されていた。
当初は叔父の子供と同じように教育がされていたが、彼女が中学生になった頃から彼女だけの行動を制限するように門限など様々なことが決められた。
そのことが後に虐待へとなっていった。
そして日が経つにつれ虐待が執拗に行われていたのだった。
 
祖父母は叔父が彼女に厳しい態度取っていたことを、父親の代わりのしつけと勘違いしていた。ふたりがそのことを把握していなかったため、叔父による虐待は更にエスカレートし、彼女が高校に入学した頃には性的な虐待まで行うようになっていた。
 
彼女の精神は耐えられなくなり、大好きだった祖父母の元を何も告げずに離れたのだった。
 
それは彼女が高校三年の初夏のことだった。
 
高校を中退し、彼女よりも前に同じ高校を中退した友人を頼って実家を出、そしてたどり着いた街が私の住む街だった。


 


 

>>> to be continued





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